SIP-PE2
SIP-PE2
円形シェルグリッパ
[1]開発目的
課題
柔かい接触で重量がある対象物(例えば,大福や桃など)を傷をつけずに把持するのは困難である.また,指型の柔軟エンドエフェクタが様々な姿勢での把持や把持した後にねじり動作を実現するのが難しい.
解決方法
円形の硬いシェル部の内部に薄いシリコン膜を設け,空気圧を印加することで柔軟膜が膨らみ,対象物を把持できる.硬いシェルがあるため,低い空気圧で大きい把持力が実現でき,対象物に傷をつけずに安定的な把持ができる.
[2]構造
・円形を4分割にして,それぞれ硬い樹脂で製作したシェル部とシリコンゴムで製作した空気チャンバーで構成されている.
・4つの部分に空気圧を印加することで,対象物を把持できる.別々で空気を印加することも可能である.
・外部のシェルが硬いので,空気チャンバーのふくらみによって発生して把持力が外に逃げることがなく,安定的に把持できる.
[3]結果
・様々な食品を用いて把持実験を行った.軽いものから重たいもの(例:500gの缶ジュース)まで把持できた.
・摩擦力のみで対象物を把持しているため,すべりやすいものの把持が難しい.
・膜が膨らんで対象物を把持するため,グリッパの高さの半分以下の薄い対象物の把持が困難である.
[4]参考情報
・論文: Zhongkui Wang, Ryo Kanegae, Shinichi Hirai, Circular Shell Gripper for Handling Food Products, Soft Robotics, 8(5): 542-554, 2021. 10.1089/soro.2019.0140.
・ 特許: 立命館大学単独出願済
[5]担当者
立命館大学 王 忠奎,平井 慎一(wangzk@fc.ritsumei.ac.jp, hirai@se.ritsumei.ac.jp )
円形シェルグリッパの動作イメージ |
グリッパプロトタイプ |
様々な食品などの把持実験